日本テニス協会は、学校体育の中で、テニスの面白さを味わってほしいという願い、また、テニス競技の普及促進の視点から、誰にでも、気軽に楽しめるテニス型ゲーム「テニピン」の普及を進めています。
「テニピン」はテニスの面白さを誰もが味わえるように、易しさを追究して、用具とルールをアレンジしたゲーム・ボール運動領域の「ネット型」ゲームです。 バドミントンコートとほぼ同様のコートの大きさで、手作り段ボールラケットや手の平を包み込むようなタイプのラケットを手にはめ込み、ネットを挟んでスポンジボールを打ち合います。
2017年に改訂された小学校学習指導要領解説体育編の中学年・高学年において「バドミントンやテニスを基にした(簡易化された)易しいゲーム」が例示されました。
小学校の体育授業では、難しいと思われていたテニスですが、ここでご紹介するテニス型ゲーム「テニピン」は、全員均等にボールに触れる機会が保障されていることで、特定の子どもだけが活躍するのではなく、すべての子どもたちが活躍できる場が保障された「個が輝ける」ゲームです。ボールを返せるか返せないかの攻防の結果、ラリーが続いたり、ラリーを断ち切ったりして得点する面白さを味わうことができます。そのため、状況を判断したり、戦略を練ったりすることができ、「思考力・判断力・表現力」の育成にも適した教材となっています。
日本テニス協会 普及推進本部副本部長(テニピン開発者)今井茂樹
テニス特有の面白さ
テニス特有の面白さ
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
個が輝く
個が輝く
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
状況を判断する力
状況を判断する力
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
戦略を練る力
戦略を練る力
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
問題を解決する力
問題を解決する力
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
成功も失敗も自分ごと
成功も失敗も自分ごと
ネットを挟んで分離されているため、相手に邪魔されないという利点を活かして、守備と攻撃を同時に行いながら、直接返球して、相手がそれを返せない時に得点になるという形で勝敗を競い合うところに面白さがあります。
もっともっと多くの人に、特に子どもたちにテニスを楽しんでもらいたい、僕なりに何かできないか、僕だからこそできることはないかと考えていたところ、『小学校学習指導要領解説体育編』において、「バドミントンやテニスを基にした易しい(簡易化された)ゲーム」が例示されたという話を聞き、「体育の授業で子どもたちがテニスに親しみ、その面白さを知る大きなチャンスが到来した!」と期待が膨らみました。
日本テニス協会普及推進本部副本部長・山梨学院短期大学准教授の今井茂樹先生が、2003年から体育の授業にテニスを取り入れ、研究を続けていると聞き、どんな授業をされているのか、見学させていただきました。子どもたちは、ラケットの代わりに、手の平より大きなスポンジを貼り合わせた“ハンドラケット”を手にはめ、スポンジボールを打ち返していました。今井先生に伺ったところ、以前、ミニラケットを用いたテニスを授業に取り入れたものの、ラケットを上手に使いこなせない子どもが多く、できる子とできない子の差が出てしまったとのこと。そこで手作りのハンドラケットを用意したところ、たいていの子どもたちがボールを打ち返すことができたそうです。
児童全員がボールを打てるように、ルールもよく考えられていました。チームごとに戦略を練る機会もあり、授業の最後には、その戦略の良かった点や反省点を発表する子どもたちの姿がありました。そして次の時間には、それぞれの課題に応じた練習メニューに取り組み、またゲームを楽しんでいました。
数回のテニピンの授業後、ミニラケットを使った実践に進むと、子どもたちは用具を上手に使いこなし、ゲームに興じていました。テニピンを通じて、ボールのバウンド位置を予測し、体とボールの距離感を把握し、リズムを合わせて打ち返すことができるようになっていたのです。
授業を見学させていただいて僕が一番うれしかったのは、楽しそうに笑顔でボールを追いかけていた子どもたちの姿です。技術を向上させることだけが目的ではなく、コミュニケーション力、決断力、自分たちで作ったルールを守る、そういった子どもたちの心を育む授業が展開されていました。だからこそ、安全で、簡単で、みんなが楽しめるテニピンを授業に取り入れ、子どもたちと一緒にテニスの魅力を味わってほしい—。この思いを、ひとりでも多くの先生方にご理解いただけるよう、テニピン普及のお手伝いをこれからもさせていただきたいと思っています。
日本テニス協会 強化副本部長 松岡 修造